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成田富里病院 循環器内科の診療体制強化 血管撮影装置を新規導入

2021.10.20

成田富里病院
循環器内科の診療体制強化
血管撮影装置を新規導入

成田富里徳洲会病院(千葉県)は血管撮影装置(アンギオグラフィー)を新たに導入した。これによりカテーテル室が2室体制となり緊急時の対応力が向上したほか、新たに導入した装置は画質の向上とX線被ばく量の大幅な低減化が図られており、より患者さんに負担が少ない検査・治療が可能だ。同院循環器内科は日本心血管インターベンション治療学会の研修関連施設から2020年8月に研修施設に格上げとなるなど体制も充実。地域医療への貢献を深めると同時に、カテーテルを用いた高度な医療を積極化していく。

カテーテル室2室に増設

血管撮影装置を導入し新設したカテーテル室

開院から6年が経つ成田富里病院は心臓カテーテル検査・治療件数が順調に伸びており、循環器内科の常勤医3人で、冠動脈造影検査(CAG)は昨年506件、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は同233件など実績を上げている。

さらに同院では脳神経外科が開頭手術とならび脳血管内治療に積極的に取り組んでいることから、カテーテル室の高稼働が続いていた。効率よく多くの患者さんに必要な検査・治療を実施することを目的として、今回、新たに血管撮影装置を導入し、カテーテル室を2室に増やした。なお同院は18年にハイブリッド手術室(血管撮影装置を備えた手術室)を開設。カテーテル室を使用中に急性心筋梗塞など緊急症例が搬送されてきた場合は同手術室で対応。

同院の橋本亨副院長(専門は循環器内科)は「2室に増えたカテーテル室とハイブリッド手術室を合わせ、緊急時の対応が盤石になりました。心臓血管外科との合同カンファレンスを開くなど、一人ひとりの患者さんに最適な診療方針を立てて治療に臨んでいます」とアピールする。同院は20年8月、日本心血管インターベンション治療学会研修関連施設から研修施設へと格上げ、自院で心血管カテーテル治療専門医の育成が可能となった。

「緊急時の対応が盤石に」と橋本副院長

高度なカテーテル医療を積極的に進めており、腹部大動脈瘤(りゅう)に対するステントグラフト内挿術後のエンドリークへのコイル塞栓術や、上腸間膜動脈解離および瘤形成に対するステント留置+瘤内コイル塞栓術、ロータブレーター治療などを実施。

エンドリークとは動脈瘤内に血液が再流入すること。これを遮断するコイル塞栓術は、正確かつ慎重な手技が求められる治療だ。ロータブレーターは、動脈硬化が進行し石灰化した冠動脈に対し、ダイヤモンドの細かい粒を付けた小さなドリルをカテーテルの先端に取り付け高速回転させ、治療を進める医療器具。

検査に関しても、心不全の原因検索などに有効な負荷心筋シンチ(RI検査)や、心筋生検、心臓MRI(磁気共鳴画像診断)検査など幅広く行っている。また、この8月、不整脈に対するカテーテルアブレーション治療を開始した。橋本副院長は「これからも、できるだけ患者さんの身体に負担が少なく、効果が期待できる検査・治療に取り組んでいきたい」と意気軒高だ。





腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術後のエンドリークに対するコイル塞栓術(左が治療前、右が治療後。赤丸で囲んだ部分がエンドリーク箇所)

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