吹田病院 福田センター長が大会長 日本リンパ浮腫治療学会
2021.10.13
吹田病院
福田センター長が大会長
日本リンパ浮腫治療学会
第5回日本リンパ浮腫治療学会学術総会がオンラインで開かれ、吹田徳洲会病院(大阪府)の福田幾夫・心臓血管センター長が大会長を務めた。テーマは「チームでリンパ浮腫を探求する、圧迫療法を科学する」。10月末までオンデマンド配信中。
オンデマンド配信中!
「幅広い話題を取り上げ、充実した内容です」と福田センター長
10月末までオンデマンド配信中
学術総会は9月25日から2日間開催、リンパ浮腫の治療にかかわる幅広い話題を取り上げ、充実した内容のプログラムが組まれた。このうち福田センター長は「静脈学とリンパ浮腫」と題し会長講演を行った。
まずリンパ浮腫治療の歴史、同学会設立の経緯、吹田病院で昨年10月に開設したリンパ浮腫外来の概要などを説明。次に治療難渋症例を4例提示し、血管病変を合併したリンパ浮腫、がん遠隔期の見逃されやすいリンパ浮腫などについて解説した。
続いて、リンパ浮腫治療を取り巻く問題点として①リンパ浮腫の認知度が低く、悩みを抱えたまま引きこもっている患者さんが多い、②治療施設が少なく、患者さんが難民化する、③独居高齢者では治療が困難な例もある、④リンパ管静脈吻合(ふんごう)術(LVA)の適応が不明瞭──など挙げた。
学術総会のプログラム内容にも触れ、「科学的診断法の開発」、「リンパドレナージ(手で行う医療的なマッサージ)の科学的解析」、「新型コロナウイルス流行下でのケア」
に関する演題を紹介。他診療科との連携にも言及し、がん診療医へのフィードバック、脈管系全体の問題としてとらえる重要性についても強調した。最後に、医工連携による圧迫着衣のオーダーメイド開発などの可能性を示した。
福田センター長は「学術総会のプログラム内容は、さまざまな診療科の医師・コメディカルにも知っていただきたい内容であり、かつリンパ浮腫治療チームの立ち上げの参考にもなると思います。10月末まで学会ホームページでオンデマンド配信を行いますので、ぜひご覧ください」とアピールしている。