神戸病院 新生児蘇生法学ぶプレホスピタルコース開催
神戸病院
新生児蘇生法学ぶプレホスピタルコース開催
コロナ自宅療養中に分娩 搬送先のない母子へ対応
新生児の人形を使い指導する泉井部長(右) 「講習の出張開催にも対応します」と泉井部長
神戸病院は2025年2月に予定している新築移転に向け、小児科と産婦人科を強化。10月には産科病棟がオープンし、院内分娩(ぶんべん)が始まる予定だ。こうしたなか、周産期チームの知識の底上げを目的に同講習を企画。8月28日には医師、助産師、看護師向けの同講習「専門コース」も開催した。
講師を務めた泉井雅史・小児科部長は、コロナ禍ではとくに「プレホスピタルコース」の必要性が高まっていると強調、「コロナで自宅療養中に分娩し、搬送先のない母子の受け入れができるように準備することが重要です」と説明する。
同コースでは座学に加え、新生児の人形を使った実技訓練も実施。参加者は新生児の蘇生処置や予期せぬ場面で生まれてきた赤ちゃんのへその緒を切る訓練など行った。参加者からは「初めて見る機材がたくさんあって難しかった」、「受講内容は今後に生かせると思う」など感想が聞かれた。
泉井部長は「分娩予定前の急な出産や、隠れ妊婦さん、コロナで自宅療養中の妊婦さんなどがいると、産科を得意としない医師でも、お産を取り扱う必要が出てきます。生まれてくる新生児の約10%は何かしらの医療的介入が必要だと言われ、予想外の分娩は、より高度な技術が必要になることが予想されます。そのため医療従事者の新生児蘇生スキル習得と緊急物品、薬剤の備えが重要と考えます」と問題提起。
泉井部長は同講習の出張開催にも対応する考えだ。問い合わせは神戸病院総務課(☎078-707-1110)まで。