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神戸病院 心停止下の臓器提供 院内臓器移植コーディネートチーム 体制を整備

2021.08.24

神戸病院 心停止下の臓器提供
院内臓器移植コーディネートチーム 体制を整備

神戸徳洲会病院は竹田洋樹・副院長兼診療部長を中心にTCT(Transplant Coordinate Team)を結成し、心停止下臓器提供の体制を整備した。脳死下とは違い提供できる臓器に制限はあるが、臓器提供を希望する患者さんの意思に応えていく考えだ。

患者さん・家族意思確認 「一番大切で一番難しい」

「患者さんの意思を尊重できるように」と竹田副院長

TCTは「院内臓器移植コーディネートチーム」の略称で、主な活動内容はドナー(臓器提供者)発生時のコーディネート業務。メンバーは竹田副院長に加え看護師、臨床検査技師、MSW(医療相談員)と多職種にわたり、月に1回開く定期会議には、兵庫県の臓器移植コーディネーターやアイバンクコーディネーターも参加。現在、心停止下臓器提供マニュアルの作成や臓器移植に関する知識の向上に努めている。

同院が臓器提供の体制整備を始めた理由について竹田副院長は「当院に入職する前は別の病院で院内の臓器移植コーディネーターをしていました。3月に入職し、職員にヒアリングしたところ、意思表示カードを持っていたのに対応できなかったケースがあったことを聞き、患者さんの意思を尊重するためにも、体制整備が必要だと考えました」と説明する。

心停止下で提供できる臓器は腎臓、膵臓、眼球(角膜)などがある。脳死下と心停止下で提供できる臓器に違いがある理由は、血流が止まった状況から移植後に血流を再開し、機能を発揮できる能力に違いがあることによる。心停止下であれば、必要な体制が整備されており、手術室がある病院なら提供可能だ。

竹田副院長は「臓器提供には患者さんやご家族の意思を確認する作業が一番大切で一番難しい。今後は患者さんの意思表示カードのチェックはもちろん、問診で意思を確認するチェックシートの導入なども考えていきたいです」と抱負を語る。同院は12月を目安にシミュレーション訓練を実施する計画だ。

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