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単孔式手術 根治性と整容性 両立尿膜管疾患で武蔵野病院 | 徳洲会グループ

2021.07.20

単孔式手術 根治性と整容性
両立尿膜管疾患で武蔵野病院

1例目を行った(左から)桶川院長、原部長、山崎医長、小倉医師 単孔式のため手術痕は臍付近の目立たない1カ所のみ

武蔵野徳洲会病院(東京都)は尿膜管疾患に対する臍部(さいぶ)単孔式尿膜管摘出術を開始した。1例目は泌尿器科と形成外科の合同チームが尿膜管遺残症に対し、腹腔鏡下で単孔式尿膜管摘出術を実施。術者は泌尿器科の桶川隆嗣院長、原秀彦部長、形成外科の山崎究医長、小倉ふみ子医師。

臍と膀胱(ぼうこう)をつなぐ尿膜管が細菌感染などで炎症を起こし、臍から膿が出たり痛んだりするのが尿膜管遺残症だ。再燃を繰り返すことが多く、その場合は手術が適応となる。

「若年者に多い疾患のため手術では根治性と整容性の両立が重要です。保険適用の腹腔鏡下尿膜管摘出術が標準術式です。しかし通常は3~4ポート(カメラや鉗子(かんし)など手術器具を腹腔内に入れるための孔)で、整容性の面で十分とは言えませんでした。さらなる整容性を求め臍下部からのアプローチによる単孔式の腹腔鏡下手術を開始しました」(桶川院長)

1例目の手術では4月に着任した桶川院長と原部長が尿膜管切除を行い、山崎医長と小倉医師が臍の形成手術を担当。手術時間は1時間ほど。ポートが1つの単孔式は鉗子同士が干渉しやすいため高い習熟度が求められる。桶川院長は2012年頃から尿膜管疾患の単孔式手術に取り組むスペシャリスト。泌尿器科と形成外科の円滑な連携体制の下、合同手術が実現した。

桶川院長は「単孔式で尿膜管摘出術を実施している施設は、大学病院が多数ある都内でもほとんどありません。満足度の高い治療を患者さんに提供していきたい」と意気込みを見せる。

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