名古屋病院大橋総長 海外への情報発信に力 大動脈テーマ 日英中台1万人超参加
名古屋病院大橋総長 海外への情報発信に力
大動脈テーマ 日英中台1万人超参加
「海外への情報発信を続けていきたい」と大橋総長(右)
大動脈治療をテーマにしたオンライン・カンファレンスは、過去に名古屋病院で研修を行った中国山東省徳州市人民病院の王海慶・血管外科医師の主催で開催した。同カンファレンスは海外の第一線で活躍する心臓血管外科医師が自身の興味ある症例を発表、知見を共有し、医療レベルの底上げを目指すのが目的。
4カ国から計7演題の発表があり、名古屋病院からも2演題を提示。菱川敬規・心臓血管外科医師は「B型解離に対するフローズンエレファントトランク法とTEVARの経験」、長谷川新・循環器内科医師は「胸腹部大動脈瘤(りゅう)に対するトータルデブランチングを用いたEVAR」と題し、それぞれ発表した。
大橋総長は「参加国はアジアが中心だったので、英語力を高め合い、良い会にしていきましょうと締めくくりました。年4回の開催を継続する予定です」と展望を明かす。
一方、中国向けオンラインセミナーは、一般社団法人徳洲会国際部と板橋貿易社との共同開催。同社の文都蘇・医療事業部職員が通訳を行い、当日は、これまで徳洲会グループと共催したセミナーのなかでも、過去最高となる2200人超の視聴があった。
内容は「動脈硬化と心臓血管病」がテーマ。動脈硬化によって起こる多様な病気のなかでも、狭心症や心筋梗塞を中心に解説した。治療では手術動画を供覧し、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った低侵襲な手術もアピール。最後に、動脈硬化の予防に関しアドバイスを送った。
講演を終えた大橋総長は「海外に目を向けると、日本の医療に興味をもつ方々が多くおられることを感じます。コロナ禍が終息したら、日本での治療を希望する海外の患者さんを積極的に受け入れていきたいです」と意気込みを見せている。