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新型コロナ第4波の今㊦ ぎりぎりの攻防続く 関西以外の徳洲会病院も

2021.06.01

新型コロナ第4波の今㊦
ぎりぎりの攻防続く
関西以外の徳洲会病院も

これまで関西の徳洲会病院・介護施設などの取り組みを紹介してきた。最終回は3回目の緊急事態宣言が発令された10都道府県のうち、関西圏を除く地域の徳洲会病院の対応について、その一端をリポートする。

重症化リスクの高い患者さんが多く懸命に対応(札幌病院)

札幌徳洲会病院はコロナ病床として8床、さらに個室のICU(集中治療室)2床も運用している。5月24日時点で満床だ。松野玉枝・看護部長は「第4波では高齢で要介護度が高く、重症化リスクの高い患者さんが多い印象です。重症受け入れ病院はどこも満床で転院搬送できないため、重症化した患者さんは当院で挿管し継続治療しています」と説明する。

札幌東徳洲会病院は5月10日に6床から14床にコロナ病床を増やしたばかりだが、26日にはさらに10床増やし、計24床に拡大。「医療崩壊を食い止めるため、職員の力を借りながら当院としてできることに取り組んでいます。第4波では、急変しても他院へ転院できないため重症の患者さんが増加しています。また、亡くなる方も増え、看護師のメンタル面も心配なため、公認心理師による定期面談も開始していきます」と坂本眞起代・看護部長は現状を伝える。

東京西徳洲会病院は疑似症用に10床、軽症・中等症用に14床を確保。4月下旬頃は軽症・中等症用の割合を増やし対応していたが、落ち着きを取り戻し、今後は疑似症用の割合を増やす計画だ。鳩山悦子・看護部長は「発熱があれば疑似症用のベッドで対応し、クラスター(感染者集団)を発生させないよう水際対策を徹底します」と強調する。

ワクチン接種はこれまでに同院職員や周辺施設職員など約800人に対応。5月25日から地域の高齢者の接種が始まる。




接種を受ける側はワクチン接種から経過観察まで同じところに座ったまま(武蔵野病院)

武蔵野徳洲会病院(東京都)は軽症・中等症用に4床を確保。5月中旬から入院は徐々に減っているが、発熱外来を訪れる患者さんは依然として多い。斎藤英子・看護部長は「重症化し転院した例もありますが、ほとんどの患者さんは軽快し退院しています。ただし入院日数は少し長くなっている印象です」と明かす。

ワクチン接種では、これまで接種を受ける側が動いていたが、今は医療従事者側が動き、受ける人は接種から経過観察まで同じところに座ったままという方式に変更。よりスムーズに運営できるよう工夫している。

名古屋徳洲会総合病院は、軽症・中等症病床として3床を確保し対応していたが、地元の春日井市からの要請を受け、5月から5床に増床。乕田美幸・看護部長は「例年、この時期は比較的入院患者さんが減少する時期ですが、今年は減っていません。4月に入職した新人を育てつつ、救急対応や入院、手術など通常診療の体制を維持し、ワクチン接種にも対応できるよう皆で力を合わせ頑張っていきます」。

福岡徳洲会病院はコロナ病床としてHCU(高度治療室)24床を確保。主に軽症・中等症に対応していたが、第4波以降、重症も受け入れている。瀬上希代子・看護部長は「厳しい状況ですが、院内の看護全部署を挙げてサポートしています」。

一方、「ゴールデンウイーク以降、明らかに新型コロナの患者さんが増えた」と口をそろえるのが沖縄県の病院。南部徳洲会病院は県の要請をふまえ5月21日に疑似症病床を8床から10床、24日に軽症・中等症病床を23床から30床に拡大した。「退院しても、すぐにベッドが埋まる状態です」と大城光子・看護部長。24日からは院内の密状態を避けるため、病状の安定している方の定期外来受診は、医師の判断の下、電話訪問により処方を行う方針に切り替えている。

中部徳洲会病院も県の要請に応じ、軽症・中等症病床を21床から30床に増床。疑似症病床は以前から25床を確保し対応している。照屋いずみ看護部長は「自宅やホテルで療養中の方が重症化するケースが増えています」と指摘。同院もワクチン接種に積極的に取り組み、6月から院内で個別接種を行う予定だ。

石垣島徳洲会病院は13床を確保。3、4月は入院がゼロだったが、5月11日から再び軽症・中等症患者さんを受け入れ、「一時期は満床になった」(友寄幸子・看護部長)。現在もつねに7~8床は稼働している状況だ。

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