音声入力で効率アップ 医療の質向上にも寄与 屋久島病院
音声入力で効率アップ
医療の質向上にも寄与
屋久島病院
「1週間使い学習させれば変換ミスはほとんどありません」と山本院長
屋久島病院は2011年に電子カルテを導入。その際、キーボード入力が苦手な職員がいたことをきっかけに、音声入力ソフトも取り入れた。山本晃司院長は外来での電子カルテ入力、紹介状や診断書などの文書作成に活用。「外来ではキーボードを見ずに患者さんと目線を合わせることができます。また、患者さんが話すことを私が反復し、パソコンの画面上に文章として記録されるのは安心感にもつながるようです」と強調する。
カルテの記録内容も変化した。「手書きの時より、患者さんの生活背景など詳しく記録するようになりました」と山本院長。細かく記録しすぎた場合は、SOAP(主観的情報、客観的情報、評価、計画)にのっとってサマリーを作成する。患者さんの情報が充実することにより、ほかの医師との情報共有にも役立っている。
音声入力のデモンストレーションを行う山本院長
一方、同ソフトの導入を検討する施設が断念する理由のひとつが変換ミスの多さ。山本院長は「最初は変換ミスも多いですが、学習機能が充実しているので、1日外来で使うだけで普通に使えるようになり、1週間もすればストレスもなくなります」と説明。ただし、同院では各外来や医局、面談室、内視鏡検査室などに計20台ほど導入したが、学習機能や単語登録などがリンクしていないバージョンだったので、「それぞれの場所で学習させなければなりませんでした。また、ユーザーごとに登録するため、期間限定で勤務する研修医などには不向きです」と明かす。
同ソフト導入により業務の時間短縮と、医療の質向上も実現。山本院長は「肩や目も疲れなくなりました。今後も有効活用していきたいです」と意気軒高だ。