新型コロナ第4波の今㊤ 患者さん受け入れに懸命 関西の徳洲会グループ病院
新型コロナ第4波の今㊤ 患者さん受け入れに懸命
関西の徳洲会グループ病院
大阪府では、岸和田徳洲会病院が重症対応に努めている。深野明美・看護部長は「重症病床が15床ありますが、オーバーベッドになることや、ER(救急外来)の陰圧室で数日観察するケースもあります」と綱渡りの状況。大阪では「自宅やホテルで療養中に重症化」、「長時間受け入れ先が決まらず、救急車内で酸素投与」といったケースの搬送が増えている。
重症用病床で懸命に治療を継続(野崎病院) HCUで重症患者さんに対応する(八尾病院)
野崎徳洲会病院は軽症・中等症用38床で対応していたが、府の要請を受け重症対応をHCU(高度治療室)で開始。4月5日に4床、同29日にさらに1床確保。とくに第4波以降、重症患者さんの増加が著しく重症用ベッドは満床だ。木下美智子・看護部長は「6月にはマンパワーを強化し、重症用ベッドを増床するなど今後も体制強化を図る意向です」。
八尾徳洲会総合病院は軽症・中等症用に24床、重症用にICU(集中治療室)3床を確保、4月中旬から満床状態が続く。小原真栄美・看護部長は「歩いて発熱外来を受診した患者さんが数時間後に人工呼吸器を付けるなど重症化するスピードも早い印象です」。同院は東大阪徳洲会病院と後方連携、「退院の受け皿として心強いです」と謝意を示す。
和泉市立総合医療センターは重症用1床、軽症・中等症用30床。ただし入院後に重症化し、人工呼吸器を付けた患者さんが3~4人入院していることも珍しくない。川口いずみ看護部長は「有志を募りコロナ病棟の看護師を選抜していますが、職員の心身ともに疲弊が増したため、6月から全病棟の協力を得てシフトを組む計画です」。
大阪以外も病床逼迫 必死の対応を続ける
宇治徳洲会病院(京都府)はコロナ病床20床を確保、約7割が重症患者さんだ。「当院は多様な専門医、コメディカルによるチーム医療が実践できており、第4波以降、地域の医療機関で機能分化ができつつあります。院内外の連携を強化し難局を乗り越えたいです」と齊藤文代・看護部長。
神戸徳洲会病院は5月から14床のコロナ病棟を開設し、軽症・中等症に対応。透析もあわせて対応する施設が二次医療圏に同院含め2施設しかないため、コロナ感染の透析患者さんを積極的に受け入れている。中村美津・看護部長は「第4波の現在は患者さんが重症化するスピードが早いため、現場でも緊張感をもってケアにあたっています」。
近江草津徳洲会病院(滋賀県)は軽症・中等症用10床を運用、5月11日時点で満床だ。「当院がある湖南地域は病床が逼迫し状況次第で当院も重症を診る可能性があります」(畑富実生事務長)。