徳洲会栄養部会 光る調理師の創意工夫 20年「料理コンテスト」
2021.04.14
徳洲会栄養部会
光る調理師の創意工夫 20年「料理コンテスト」
徳洲会グループ栄養部会は2020年料理コンテストを開催した。全国規模では18年に第1回を行い、今回が3回目。コロナ禍のため、従来のように実際に調理して審査員が食すスタイルではなく、書類(盛り付け写真とレシピ)審査のみとした。
診療所や介護施設が健闘
「年々良いコンテストになっています」と手応えを示す鑓水部会長(右)と赤嶺副主任 今回は各施設の特徴や工夫が顕著に(写真は徳之島病院の長寿の祝い膳)
18年に初開催した全国規模での料理コンテストは栄養部門のモチベーションやスキルの向上、食事メニューの共有と工夫を図り、最終的に患者さんや利用者さんに対する献立の改善につなげるのが目的。ブロックごとに病院と介護施設が競い合う。今回はコロナ禍のため全ブロックともに予選は行わず、書類審査のみの〝一発勝負〟とした。審査は見た目や完成度(栄養バランスや再現性など)、独創性、コストパフォーマンスなどを点数化し、栄養部会の各ブロック長、調理師リーダー、教育研修担当者らが所属と異なるブロックの施設に対し行った。また、書類審査のみとしたことから、一部のルールを変更した。具体的には、行事食や人間ドック食など、病院や施設が提供する特殊な食事も可能とし、品数や使用する食材の指定も行わないなど自由度を高くした。そのため料理の原価設定は前回よりも増額した。その反面、原価と書類の提出期限については厳格化し、違反した場合は審査対象外とした。結果は表のとおり。病院では、九州ブロックで福岡徳洲会病院が連覇を果たし、離島ブロックでは徳之島徳洲会病院(鹿児島県)が2大会ぶりに1位に返り咲いた。沖縄ブロックでは中部徳洲会病院が過去2回の2位から奮闘し優勝した。
介護施設も健闘した。上位3施設を介護老人保健施設(老健)が占めた東北ブロックをはじめ、9ブロックのうち7ブロックで介護施設が入賞した。また、南関東ブロックでは湘南鎌倉バースクリニック(神奈川県)が診療所で初めて入賞した。
栄養部会長の鑓水弘樹・一般社団法人徳洲会(社徳)栄養部部長は、「失格した施設が見られたのは残念」としつつも、「自由度を高くしたぶん、各施設の熱意や工夫、特徴が顕著に出たと思います」と笑顔で振り返った。社徳の赤嶺涼佳・栄養部副主任も「調理手順や味を直接的に確認できないことへの意見が寄せられました。課題はありますが、年々、熱意も高まり良いコンテストになっています」と自信をのぞかせている。