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徳洲会の離島・へき地病院 都市部より早い開始も 地域に最大限協力体制 新型コロナワクチン特集

2021.03.30

徳洲会の離島・へき地病院
都市部より早い開始も 地域に最大限協力体制
新型コロナワクチン特集

徳洲会グループの離島・へき地病院は、早いところでは3月8日から医療従事者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種がスタートした。一日の接種人数を抑えて慎重に対応する病院もあれば、逆に接種の応援に訪れた医師のスケジュールに合わせ、一気に実施した病院もあった。そこには医療資源の少なさゆえの苦労が垣間見えた。

「接種したからといって安心してはいけない」

徳之島病院では藤田安彦院長からワクチン接種徳之島病院では藤田安彦院長からワクチン接種

鹿児島県の離島では奄美大島と徳之島にいち早くワクチンが届いた。このうち徳之島徳洲会病院では3月9日から職員のワクチン接種を開始。初日は5人、翌日は10人と様子を見ながら人数を増やしていき、一日に30人を上限として臨んだ。高齢者や一般の方の接種に関しては、地域の保健センターが住民アンケートを実施、同院との打ち合わせも進めている。

インフルエンザのワクチン接種では、接種率を上げるために集団接種の形式を取っており、コロナワクチンも同様となる見込み。勇利幸事務長は「外来での混雑を避けるためにも集団接種のほうが助かります。スタッフ派遣の要請があれば、協力する予定です」と話す。

喜界徳洲会病院には奄美大島の基本型接種施設からワクチンが分配。大島郡医師会からの紹介で接種の応援に来た医師の日程に合わせ3月14日から2日間、同院職員と徳洲会外の診療所の医療従事者らに対し、応援医師と浦元智司院長の2チーム制を組んで対応した。

ワクチン接種の役割分担や流れなどを確認(石垣島病院)ワクチン接種の役割分担や流れなどを確認(石垣島病院)
大隅鹿屋病院では1瓶で7回接種する方法を採用、超音波診断装置で皮下脂肪厚を測定大隅鹿屋病院では1瓶で7回接種する方法を採用、超音波診断装置で皮下脂肪厚を測定

都一成・事務責任者は「急な対応となりましたが、重篤な副反応もなく、無事に終えられました」と安堵(あんど)の表情。さらに「高齢の方や一般の方向けでは、集団接種会場にスタッフを派遣することになると思いますが、外来を止めるわけにはいかないので、スケジュールなど詰めて協力していきたいと思います」と説明する。

沖永良部徳洲会病院と与論徳洲会病院には、3月末までにワクチンが届く見込みだ。与論病院では高齢者や基礎疾患のある方に向けた接種について、自治体と協議が進んでおり、高杉香志也院長を含む医師3人が協力する計画を立てている。

沖縄県の離島にある石垣島徳洲会病院では3月8日、宮古島徳洲会病院では3月16日からそれぞれ職員のワクチン接種をスタート。このうち石垣島病院では午後1時から3時までに30分ずつの4枠を設け、1枠5人が実施。一日に20人を上限として慎重に対応した。

高齢者や一般の方に向けた接種は八重山地区医師会が統括。まだ具体的な協力要請はないが、同院では院内での個別接種に備え、患者さんの動線などを確かめるシミュレーションを実施。山川宜則・事務責任者は「協力要請があった時にあわてないように、しっかりと事前の準備をしています」と意欲的だ。

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