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『手術数でわかる いい病院2021』 徳洲会病院が多数ランクイン 引き続き「心臓病」の治療に強み

2021.03.09

『手術数でわかる いい病院2021』
徳洲会病院が多数ランクイン
引き続き「心臓病」の治療に強み

徳洲会グループの多くの病院が『手術数でわかる いい病院2021』(朝日新聞出版刊)の治療法別ランキングに登場した。同書は〝手術数〟がいい病院選びの指標のひとつと捉え、2019年の年間実績をもとに、全国と地方別でランキングをそれぞれ掲載。とくに「心臓病」のカテゴリーで徳洲会病院が多数ランクイン、なかでも千葉西総合病院は「心カテーテル治療」で全国1位を記録した。同院は12年連続で心カテ治療数が全国トップ。

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『手術数でわかる いい病院2021』(朝日新聞出版刊)『手術数でわかる いい病院2021』(朝日新聞出版刊)

同書では「一定数の手術を行っていることが、医師の技術力や経験値を裏付け、スタッフの習熟度につながるという考えに基づいている。手術を多く実施していれば、それだけ難しい症例やトラブル対応も経験していると考えられる」と手術数を基準にランキングする意図を説明している。アンケートの対象は全国3696病院。

「心臓病」のカテゴリーのうち、「心カテーテル治療」で千葉西病院が全国ランキングで1位を記録。治療数は3000件を超え、2位に約450件の差を付けた。11位には湘南鎌倉総合病院(神奈川県)、16位に宇治徳洲会病院(京都府)、27位に札幌東徳洲会病院、32位に八尾徳洲会総合病院(大阪府)、35位に福岡徳洲会病院と、掲載40位中6病院がランクインした。

全国ベスト40にランクインした徳洲会病院

全国ランキングに掲載された上位40病院の合計治療数のうち、徳洲会6病院の合計治療数が占める割合は約18%。さらに地方別ランキングには他の徳洲会6病院もランクイン。徳洲会グループが全国の心カテ治療に寄与していることがわかった。このひとつの要因として救急搬送受け入れ人員数の多さがある。千葉西病院は治療数のうち、緊急対応が必要な心筋梗塞の治療数も全国1位。

同院にはハイブリッドルームを含む全7室の心カテーテル室があり、これらをカテーテルスタジオで一括管理。三角和雄院長がすべての部屋をモニタリングしながら指示を出し、治療の質を高めている。同書では、三角院長のインタビューやハートチームのスタッフ紹介など、同院のさまざまな取り組みもレポート。

また、心カテ治療ではTAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)の件数も掲載。TAVIは高齢や呼吸機能の低下などにより開胸手術が難しいハイリスクの重症大動脈弁狭窄(きょうさく)症に対し、カテーテルで病変した大動脈弁を人工弁に置き換える低侵襲な治療法。TAVIの件数では、徳洲会で実施している6病院中、札幌東病院がトップになった。

「心臓手術」でも千葉西病院が全国7位にランク入り。岸和田徳洲会病院(大阪府)は10位、名古屋徳洲会総合病院は33位。手術数のうち、ほとんどの病院で症例数が多いのが弁膜症だ。同書は手術とTAVIの適応などを解説、また内視鏡を用い切開が小範囲ですむMICS(低侵襲心臓手術)も詳述している。

千葉西病院のカテーテルスタジオ千葉西病院のカテーテルスタジオ

千葉西病院の中村喜次・主任部長が率いる心臓血管外科では、内視鏡下手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いたMICSにも注力。18年6月の開始から20年2月にダヴィンチによる心臓弁膜症手術症例が100例に到達した。

「心筋焼灼(しょうしゃく)術(カテーテルアブレーション)」の全国ランキングでは湘南鎌倉病院が7位。心筋焼灼術は、頻脈性不整脈の発生源となる心臓内の部位を、専用のカテーテルで焼くことにより根治を目指す治療法。同院では村上正人・循環器内科部長を中心とした不整脈チームが実施。19年の治療総数777件のうち、心房細動に対する同治療は575件と、全国でも有数の不整脈治療施設となっている。

「ペースメーカー治療」では千葉西病院が33位、札幌東病院が35位、湘南鎌倉病院が37位。

岸和田病院の消化器内科ががん内視鏡治療で気を吐く

「がん」のカテゴリーで全国トップ40にランクインしたのは岸和田病院のみで、「胃がん内視鏡治療」21位、「大腸がん内視鏡治療」15位。尾野亘院長、井上太郎・副院長兼内視鏡センター長を中心とした消化器内科では、内視鏡室8室、透視室2室を有し、早期がんに対するESD(内視鏡的粘膜下層剝離(はくり)術)など高い技術を必要とする治療も実施。さらに離島・へき地を含めたグループ20病院以上に医師を派遣、応援診療に尽力している。

ダヴィンチによる「がんロボット手術」疾患別手術数全国ランキングでは、千葉西病院が「直腸がん」で11位、「前立腺がん」で22位にランク入り。徳洲会グループでは現在、18病院19台のダヴィンチを保有、千葉西病院は2台体制で運用している。同院では18年4月に運用開始した外科で、20年3月にダヴィンチによる直腸がん手術症例が100例を達成、16年5月に運用開始した泌尿器科では20年5月にダヴィンチによる泌尿器科手術症例(前立腺がん、腎がん、膀胱(ぼうこう)がん)が500例に達した。

「骨・関節の病気」のカテゴリーでは「人工関節置換術・股関節」で湘南鎌倉人工関節センター(神奈川県)が3位、「人工関節置換術・膝関節」で湘南鎌倉病院が18位に入った。平川和男院長が率いる同センターは04年10月に国内初の人工関節特化施設としてオープン。小切開による手術で、患者さんの早期退院、早期社会復帰に努めている。

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