小さい腫瘍見逃さず痛みもない乳房検査 宇治病院がマンモPET導入
2021.02.17
小さい腫瘍見逃さず痛みもない乳房検査
宇治病院がマンモPET導入
宇治徳洲会病院(京都府)は乳房専用PET装置(マンモPET)を導入した。乳がんの検査に用いる機器で、徳洲会グループ初。小さな腫瘍も見つけやすく、乳房を圧迫することなく検査できるのが特徴だ。同院では従来のマンモグラフィーやエコー(超音波)検査と組み合わせることで、乳がんのさらなる早期発見・治療に努める考え。1月に本格稼働し、地域の医療機関からの紹介などに対応。なお、他のPET検査との併用でなければマンモPETの検査は保険適用にならないこともあり、同院はPET-CTも導入。地域がん診療連携拠点病院として、今後もがん診療体制の充実に努める。
徳洲会グループで初めて
「地域の方々の健康増進に寄与したい」と末吉院長(右)、池信・技師長代行
「私たちが対応します」と放射線診断科の女性スタッフと池信・技師長代行(右)
PET-CTなど、全身を調べる装置が普及しているが、宇治病院が導入したマンモPETは乳房専用のPET検査装置。被験者は装置の上でうつ伏せになり、ホール(穴)に片側の乳房をセットする。ホールには円周状に検出器が取り付けられ、さまざまな角度から乳房内の細胞の活動状況を画像化。メーカー独自の検出器を採用し、画像の解像度がより高く、高精度の検査が可能という。
新築時にスペース確保
黒い点が腫瘍。小さいがんでもわかりやすい(医療法人仁泉会MIクリニック提供)
放射線診断科の池信祐二・技師長代行(診療放射線技師)は「マンモPETの撮影自体は片側の乳房で5分程度ですが、PET-CTの撮影は放射性薬剤を投与してから2時間後に行う場合があります。随時、休憩も必要なため検査は2時間ほどかかります」と説明。ただし、今後は人間ドックなどでの活用も考えており、「健診・検診の場合は、もっと短い時間になる予定」という。従来、同院はマンモグラフィーとエコーによる乳がん検査を実施していたが、「診断がつかず経過観察となるケースもあった」(池信・技師長代行)という。「たとえば、マンモグラフィーでは若い女性に多く見られる高濃度乳腺がそれです。乳腺が発達しているため画像が白く映ってしまい、小さいがんの発見が困難でした」。
マンモPETと同時期に導入したPET-CT