コロナなど特別企画も 徳洲会病理部会 第7回学術集会を開く
2021.01.13
コロナなど特別企画も
徳洲会病理部会 第7回学術集会を開く
徳洲会病理部会は湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)を会場に第7回学術集会を開催した。コロナ禍により、参加人数を抑え、感染対策を徹底したうえで実施。一般演題9題に加え、外部講師を招いた特別講演、コロナ対策などをテーマにした特別企画も実施し、全国のグループ病院から参加した医師や臨床検査技師らが積極的に意見交換し研鑽(けんさん)を積んだ。
「多くのことを吸収してください」と中島部長
開会の挨拶では、中島明彦・出雲徳洲会病院(島根県)病理診断科部長が「コロナ禍のなか、学術集会を開けたことに感謝しています。1年に一度の貴重な機会なので、多くのことを吸収して帰っていただければと思います」と気を引き締めた。1日目は一般演題(7題)発表の後、特別講演として森秀樹・大垣徳洲会病院(岐阜県)政策顧問(元・岐阜大学学長)が「がんの発生と予防~腫瘍病理学の立場から~」をテーマに講演。がんの発生に先行して出現する前がん病変の検索方法に加え、天然物質や人工的な化学物質で、がんの発生を予防する(化学予防)研究などを説明した。
次に樋口佳代子・沖縄協同病院病理診断科部長が「唾液腺細胞診~ミラノシステムの解説と実際の運用について~」と題し講演。多くの組織型がある唾液腺腫瘍の特性に対応するために考案された国際的な細胞診報告様式「ミラノシステム」は、腫瘍・非腫瘍の鑑別に重点を置き、同時に6つの診断カテゴリーでの悪性リスクや臨床的対応を記載しているのが特徴。講演では同システムの導入効果や運用上の留意点などを解説した。
続いて同テーマでシンポジウムを実施。加藤拓・成田富里徳洲会病院(千葉県)臨床検査技師が同部会で行った「頭頸(とうけい)部の細胞診」についてのアンケート結果を紹介した後、9症例を提示して参加者の意見や樋口部長のアドバイスを求めた。
参加人数を抑え感染対策を徹底したうえで全国から約40人が参加
最後に特別企画「コロナ対策について」を実施。コロナの検査環境、院内の対策、病理解剖の実施状況、術中迅速病理標本作製などに関し、グループ内で調査した結果をもとに情報共有した。2日目は特別企画「迅速細胞診とROSEについて」からスタート。ROSEとは検体を採取したその場で処理し、異型細胞などの有無を判定する検査方法。導入により必要な検体の質と量を確実に確保できる。ROSE経験のある千葉徳洲会病院、宇治徳洲会病院(京都府)、八尾徳洲会総合病院(大阪府)が現状や課題などを報告した。
次いで一般演題2題を発表。最後に丹野正隆・東京西徳洲会病院病理科部長が「2021年はコロナが終息し、またこうして集まって研鑽できることを願っています」と挨拶して閉会した。