国際的な医療機能評価JCI認証取得 八尾病院 医療の質や患者安全が向上
2020.12.22
国際的な医療機能評価JCI認証取得
八尾病院 医療の質や患者安全が向上
八尾徳洲会総合病院(大阪府)は国際的な医療機能評価JCI認証を取得した。認証期間は3年間。同認証は主に医療の質や患者安全の観点から14カテゴリー、1100項目を超える審査項目を設定しており、高いハードルをクリアしないと取得できない。徳洲会グループは医療の質や安全の向上を目指し、基幹病院を中心に同認証の取得を推進。徳洲会のJCI認証取得施設は11病院に達した。
徳洲会グループで11病院目
職員一丸となってJCI認証を取得
審査では、患者さんの入院から退院までをトレース(追跡)する形で、患者確認、診療記録の作成、転倒転落リスクのアセスメント(評価)などを適切に実践しているか、各種書類の閲覧や職員への口頭での質問を通じ徹底的に確認。施設や設備に関しても医療安全や感染予防の観点から適切な管理を行っているか審査する。
サーベイヤーとつながったパソコンと一緒に各部署を巡回
同院が同審査の準備を始めたのは4月頃、14のカテゴリーごとにリーダーとサブリーダーを決め、隔週で文書作成の進捗(しんちょく)状況や不明点などを確認する会議を実施。同時に医療安全や感染対策の観点から、中央材料室や内視鏡室などのゾーニング(区域分け)を見直し、改修工事を行った。オンラインサーベイのための準備では、9月に同更新審査を行った葉山ハートセンター(神奈川県)から助言を受けたり、機材を借りたりして備えた。
八尾病院でJCI事務局を務めた久木田政昭・総務課課長は「最終的には全職員が一致団結したからこそ、初審査に合格できたのだと思います。正解がわからないなか、各カテゴリーのリーダーには、自ら考えて動いてもらうなど大変な苦労をかけました。同時に、あらためて各部署の書類管理などが整備でき、とても良い職員教育になったと思います」と振り返る。
「我々はJCIというひとつの文化のなかにいる」と原田院長
本審査は11月9日から5日間実施。指摘された項目を改善した後は、3年後の更新審査に向けた体制を構築する計画だ。久木田課長は「今回の各カテゴリーのリーダーには各部署長や各病棟の看護師長などにお願いしましたが、次回は若返りを図り、今回のリーダーがバックアップをするという盤石の体制を敷きたいと考えています」と抱負を語る。
「徳洲会グループの心強いサポートのおかげ」と久木田課長(右)、竹内職員
サーベイヤーからのコメントにも触れ、「審査の終わりに〝ここからロングジャーニーが始まる〟と言われましたが、本当にそのとおりだと思います。今後は、今の病院のシステムを継続し、発展させていかなければなりません。職員には『JCIというひとつの文化のなかに、我々が存在している』と伝えました」と気を引き締めている。