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昨年度比 徳洲会病院を1位希望 33人増の176人 研修医マッチング中間公表

2020.10.13

昨年度比
徳洲会病院を1位希望 33人増の176人
研修医マッチング中間公表

神戸徳洲会病院は鼠径(そけい)ヘルニア外来と大腸肛門病外来を開設した。両専門外来の診療を担当する冨田雅史院長は、初期研修を含め約20年間、岸和田徳洲会病院(大阪府)で外科や救急、消化器内視鏡領域の診療に従事、4月に神戸病院に院長として着任した。急性腹症などの緊急手術や大腸がんの内視鏡治療・腹腔鏡(ふくくうきょう)手術、鼠径ヘルニアの手術といった得意分野を生かし、両専門外来を8月にスタート。同院は2025年をめどに新築移転を計画、また今年度中には産科の再開や内視鏡センターの開設など、診療機能の充実を図る方針だ。

「コロナ禍に立ち向かう姿勢に共感」と田村副院長「コロナ禍に立ち向かう姿勢に共感」と田村副院長

医師臨床研修マッチング協議会は2020年度医師臨床研修マッチングの中間公表を行った。徳洲会グループで21病院ある基幹型臨床研修病院を研修先として1位希望した志願者(医学部6年生や既卒者)は、昨年度比33人増の176人。13病院で昨年度よりも1位希望者が多く、定員を上回った病院が12病院あった。定員(医科)は計157人。

医師臨床研修マッチングは臨床研修希望者と臨床研修病院を、双方の意向をふまえて一定の規則に従い組み合わせを決定するシステム。

二次募集などマッチング外の採用者を含む初期研修医(医科)の入職者数が157人(定員は162人)と過去最高だった昨年度は、中間公表時点で143人が1位希望。実際のマッチングは145人だった。今回の9月25日の中間公表の結果から、同程度以上のマッチングと、来年4月には昨年並みの初期研修医が入職する公算が高い。

徳洲会グループ研修委員会委員長を務める大隅鹿屋病院(鹿児島県)の田村幸大副院長は、1位希望者が大幅に増加した要因として3点を挙げる。

「1点目は、コロナ禍でも各研修病院がオンラインによる面接や説明会など、努力して実行した結果だと思います」とICT(情報通信技術)を積極活用した成果と指摘。

「2点目は、研修環境の改善に努めてきたこれまでの取り組みが、グループの各研修病院に現在いる初期研修医から評価され、口コミとして後輩たちに伝わっていると考えられることです。今年に限らず医学生たちは初期研修医として働く先輩の口コミを研修病院選びの重要な手がかりにしています。今年はコロナ禍で病院見学に行く機会が失われており、例年以上に口コミを参考にしている傾向があるとみられるためです」と長年にわたる取り組みの効果を強調した。

3点目として、徳洲会グループの各病院が新型コロナ患者さんを受け入れていることを挙げた。「徳洲会は救急搬送の〝たらい回し〟が社会問題となっていた時代に、〝断らない救急〟を掲げ、それが大切な原点となっています。困っている傷病者を受け入れるのが徳洲会です。新型コロナ患者さんの受け入れは大きな負担をともないますが、多数のグループ病院が頑張って受け入れています。コロナ禍という国難に立ち向かう姿勢が、医学生たちに共感してもらえたのではないかと思います」。マッチング結果は10月22日に明らかになる見とおしだ。

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