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コロナ専用 臨時医療施設を視察 西村・経済再生担当相ら

2020.7.28

コロナ専用 臨時医療施設を視察 西村・経済再生担当相ら

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)が運営している県の臨時医療施設(180床)に、西村康稔・経済再生担当相らが6月20日、視察に訪れた。同施設は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、県が中等症の患者さんを受け入れるために臨時で整備し、同院が運営を委託されている。

取材に応じる(左から)西村・経済再生担当相、黒岩知事、小林・院長代行取材に応じる(左から)西村・経済再生担当相、黒岩知事、小林・院長代行

西村・経済再生担当相が到着すると、黒岩祐治・神奈川県知事、鈴木隆夫・前徳洲会理事長(当時理事長)、湘南鎌倉病院の篠崎伸明院長、小林修三・院長代行らが出迎え、臨時医療施設を視察。案内は小山洋史・集中治療部部長が務めた。

続いて「神奈川モデル」などに関する意見交換を実施。同モデルは、中等症患者さんを集中的に受け入れる「重点医療機関」を設置し、無症状・軽症の方には自宅や宿泊施設で療養してもらうことで、新型コロナウイルス感染症の患者さんに対応できる病床を確実に確保する体制を言う。

冒頭、黒岩知事は「当初から感染爆発を想定して準備を進めてきました。緊急事態宣言は解除されましたが、第2波に備え、気を緩めることなく整備を続けていきます。湘南鎌倉病院には多大な協力をいただいています」と挨拶。続いて西村・経済再生担当相は「神奈川県の先進的な取り組みを参考にして、何が起きても命を守る体制を全国でつくらなければいけません」と話した。その後、神奈川モデル、臨時医療施設の運営に関し意見交換した。

アバター・ロボット「newme」を活用し、レッドゾーンで問診アバター・ロボット「newme」を活用し、レッドゾーンで問診


最後に囲み取材で、西村・経済再生担当相は医療従事者への感謝を述べた後、「湘南鎌倉病院の院内感染を防ぐ取り組みはとても参考になります。ウイルスの検査法も日々進化していますので、今後、すぐに検知する体制を整えることが大切だと感じました」と強調。さらに「視察のなかで、アバター・ロボットを使い、非接触型で患者さんに対応する取り組みや、遠隔診療システムなど最先端の技術を活用し、感染を防ぎながら患者さんの急変などに備える仕組みにも感銘を受けました」と評価した。

視察を終え、小林・院長代行は「われわれの〝弱者を置き去りにしない〟という取り組み、命を助けるだけでなく、精神科の患者さんや妊婦さんへの対応などもあわせて西村大臣に、ご理解いただけました」とアピール。

急変リスクに迅速対応 遠隔診療システム活用

「NOALON」で臨時医療施設とコミュニケーションを取る神尾部長「NOALON」で臨時医療施設とコミュニケーションを取る神尾部長

同院が運営する臨時医療施設で活用している遠隔診療システムは、エア・ウォーターが開発した「NOALON」。神尾直・集中治療部部長が遠隔医療機器の開発支援をしていた関係で、新型コロナウイルス対応の早期から現場に3台投入、検証を行っている。

1台はICU(集中治療室)医局と臨時医療施設のナースステーションをつなぎ、バックアップ体制を強化。神尾部長はICU医局にいながら、モニター画面に映し出されたレッドゾーン(汚染区域)の病室の様子と、入院患者さんの生体情報を確認、同時に看護師とテレビ電話で話すこともできる。もう1台は臨時医療施設の医局と同病室をつなぎ、医師がレッドゾーンに入ることなく患者さんと話すことが可能。最後の1台は、重症患者さんが発生した場合に備え、ICU医局と同重症個室をつないでいる。

神尾部長は「レッドゾーンに入るにはPPE(個人防護具)の着用が必要ですが、一時期足りなくなる懸念がありました。臨時医療施設の入院患者さんは、中等症とはいえ複数の診療科の医師が対応するケースも多く、患者さんと話すたびにPPEを着用するのは非効率でした。遠隔診療システムを活用すれば、感染リスクを回避しながら、PPEの消費を抑えることもできます」と指摘。

さらに「新型コロナウイルス感染症の患者さんは急変するリスクが高く、生体情報モニターをつねに監視し、何かあったら迅速に対応できる体制を整えておく必要があります。そのためにも遠隔から監視できるのは効率的と言えます」と強調。今後はリハビリテーションへの応用、患者さんと家族との面会にも活用していく考えだ。

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