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長崎北病院 日本脳卒中学会研修教育施設に 21年新築移転オープンへ弾み

2020.6.15

長崎北病院 日本脳卒中学会研修教育施設に 21年新築移転オープンへ弾み

長崎北徳洲会病院は日本脳卒中学会研修教育施設に認定された。2010年10月に同院に入職した鬼塚正成院長は、精力的に新しい治療や教育活動などを実施、同認定の取得に尽力してきた。同施設の認定は徳洲会で12番目。

認定取得に尽力した鬼塚院長(右)と囲美保・理学療法士認定取得に尽力した鬼塚院長(右)と囲美保・理学療法士

鬼塚院長は15年頃(当時は副院長兼脳神経外科部長)から、脳梗塞の患者さんに対し血栓溶解療法(tPA療法)を開始した。これは薬を用いて脳内の血管を詰まらせている血栓を溶かし、血流を再開させる治療法。同治療を開始するにあたりスタッフ全員に講義を実施。さらに羽生総合病院(埼玉県)の木田吉俊・救急総合診療科部長(現・東京西徳洲会病院救急医療センター部長)の協力により、神経救急の講習会であるISLSコースも開いた。

その後も「スタッフに教育が十分に行きわたらないと、高いレベルの医療は提供できない」と考え、スタッフに済生会長崎病院が主催する長崎ISLSの受講を勧奨。鬼塚院長は指導者としても参加しており、長崎県の離島、五島列島にある病院にも、済生会病院のスタッフと一緒に年2回ほど足を運び、神経救急の指導をしている。

こうした取り組みにより症例数が徐々に増加、教育施設としての実績も重ねた。鬼塚院長は「ISLSコースは今でも年に7~8回は開催しています。救急隊員や地域の医療施設の方々も受講し、当院が脳卒中に注力していることをアピールできるので、患者さんの紹介にもつながります。地道な積み重ねにより、当院が地域から信頼される病院になってきたのだと思います」と振り返る。

徳洲会脳神経外科部会のサポートも大きい。部会長の中川秀光・野崎徳洲会病院(大阪府)院長が調整し、同院や福岡徳洲会病院などから毎年1週間ほど長崎北病院に脳神経外科医師を派遣、この期間を使い、鬼塚院長は外部研修を受けるなど自己研鑽(けんさん)に励んだ。

学会の研修教育施設に認定されたことで、専攻医(後期研修医)の受け入れや、同院への入職を考えるリハビリテーションスタッフへのアピールにもつながる。「新築移転前に取得できたのは良かったです。こうしたネームバリューにより、当院に興味をもってもらえる方も増えると思います」(鬼塚院長)。

同院は新築移転後、回復期機能を強化する方針。脳卒中の患者さんが多いことから、一般病床(障害者病床)の一部を転換し、現在20床の回復期リハビリ病棟を26床に増床する計画だ。さらに、院内でISLSコースを開催できるよう広いスペースも確保する。鬼塚院長は「これからも当院主催でISLSコースを続け、院内だけでなく地域の医療レベルの向上を目指します」と意欲的だ。新病院は21年5月に竣工予定。

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