新病院着工にともない安全祈願祭 札幌南病院 来年7月に新築移転オープン
2020.4.7
新病院着工にともない安全祈願祭 札幌南病院 来年7月に新築移転オープン
医療法人徳洲会(医徳)は3月26日、新築移転する札幌南徳洲会病院(88床)の新病院着工にともない札幌市内の神社で安全祈願祭を行った。新型コロナウイルスの感染拡大により、規模を縮小して開催。病院と関連施設の幹部6人、施工会社ら関係者のみが出席し、工事の安全を祈願した。新病院は2021年5月末に竣工、7月から診療を開始する予定だ。
「地域や徳洲会が誇れる病院に」
列席した関係者で記念撮影
工事の安全を祈願(写真は御鈴之祓)
徳洲会グループからは札幌南病院の前野宏総長、四十坊克也院長、工藤昭子・看護部長、下澤一元事務長に加え、関連施設として札幌市内に拠点を構えるホームケアクリニック札幌の梶原陽子・看護師長、緩和ケア訪問看護ステーション(訪看ST)札幌の山崎美惠所長が列席。グループ外では三菱地所、日本建設の主に道内で活動する関係者のみが出席した。
おごそかな雰囲気のなか、開式之辞から神酒拝戴之儀までを行い、式は約20分で終了。直会(なおらい)などは行わず、最後に拝殿の前で記念撮影を行った。
玉串奉奠之儀を行う四十坊院長
安全祈願祭は当初3月4日に予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大にともない北海道で緊急事態宣言が出されたことを受け、急きょ延期。式後、前野総長は「まだまだ困難な状況ですが、規模を縮小しながらも何とか開催できたことにホッとしています」と安堵(あんど)の表情を浮かべ、四十坊院長も「感無量と言うと大げさかもしれませんが、ようやく開くことができて安心しました」と胸をなでおろした。同院は1987年に開設し、96年に徳洲会グループに加わった。主に緩和ケアを柱として展開し、2003年にはグループで初めて緩和ケア病棟を開設。関連のホームケアクリニック札幌や緩和ケア訪看ST札幌と連携し、在宅ホスピスにも力を注いでいる。
新病院(上)とクリニック棟の完成予想図)
新病院のコンセプトは、①徳洲会グループの理念“生命だけは平等だ”と札幌南病院の理念「ホスピスのこころを大切にする病院」の融合、②3つのHの提供、③日本一のホスピス、④地域の拠点、⑤透析の継続――の5つ。具体的に、①はスタッフの機動力を最大限まで高め最良の医療・ケアを平等に提供できる病院、患者さんに寄り添う病院を目指す。②はホスピタリティー、ヒーリング、ホープを表し、自然や四季が感じられ温かみのある空間づくりを意識。③は北海道の厳しい冬に配慮した設計や、チームケアを重視した環境を実現。④は情報交換の場などをイメージしたカフェや、医療知識を深める場として多目的ホールなどを完備。⑤は土地の起伏を生かし、透析専用の玄関を確保。外来の玄関と“ダブルアプローチ”を実現している。
また、クリニック棟には、がんをキーワードとする相談スペースを設けた。下澤事務長は「なかなか病院では聞きづらい些細な疑問や相談などにも応え、患者さんやご家族が不安を軽減するために立ち寄れる場所になればと考えています」と説明し、「クリニック、訪看STの機能も合わせて、地域の方から“地域緩和ケアセンター”といった愛称で呼ばれるように、拠点のひとつになれたら嬉しいです」と期待に胸をふくらませる。
「来夏のオープンに向けて良い準備を進めていきたい」と語気を強める四十坊院長。前野総長は「地域の方にとっても徳洲会にとっても誇れる良い病院ができると思っています」と自信を見せる。