マーケティング特集 東京西病院 選ばれる病院目指す 武蔵野病院と連携強化推進 ブランド力を向上
2020.3.24
マーケティング特集 東京西病院 選ばれる病院目指す 武蔵野病院と連携強化推進 ブランド力を向上
東京西徳洲会病院の佐藤一彦・副院長兼包括的がん診療センター長(乳腺腫瘍センター長)は、武蔵野徳洲会病院(東京都)に昨年入職した佐々木康綱オンコロジーセンター長と連携を強化、シナジーを発揮し地域のがん医療のニーズに応えている。
ブーゲンビリア主催の勉強会で講師を務める佐藤副院長(左)
佐藤副院長は「がん患者さんは救急患者さんと違い、時間をかけて病院を選ぶことができます。ですから、がん医療のマーケティングには、〝選ばれる病院〟になることが大切であり、病院のブランド力を高めるための努力が必要になります」と強調する。これまで佐藤副院長は、東京都の多摩地域を中心に活動する乳がん患者会であるNPO法人ブーゲンビリア主催の勉強会で講演したり、一般紙や雑誌の取材を受けたりと、積極的にマーケティング活動を行ってきた。「とくにブーゲンビリアとのつながりは重要で、がん患者さんは患者会から情報収集することも多いため、ここからクチコミで当院を知られることがあります。また、ブーゲンビリアからの紹介で、テレビの取材につながったこともありました」と説明する。
こうした活動のなか、武蔵野病院に佐々木センター長が入職したのは佐藤副院長にとっても僥倖(ぎょうこう)だった。もともと親交があり、東京西病院にはない腫瘍内科を専門としているため、同じ徳洲会グループの職員となったことで、より連携強化が容易になった。佐藤副院長は「佐々木センター長との連携により、がん医療に関し、当院のブランド力はもちろん、徳洲会グループ全体のブランド力が上がると思います」と太鼓判を押す。
連携は、それぞれの強みを生かす形で実施。武蔵野病院には乳がんを専門とする医師がいないため、佐藤副院長が治療方針について相談を受けることもある。また、放射線治療やPET―CT(陽電子放出断層撮影―コンピュータ断層撮影)による画像診断も同様で、東京西病院で実施できるよう協力体制を構築する考えだ。
地域連携懇談会で佐々木センター長がゲスト講師に
マーケティング活動の一環として、東京西病院は昨年11月、第6回地域連携懇談会に佐々木センター長をゲスト講師に招いた。同会は地域の医療機関との連携強化を目的に2018年3月から年2回の頻度で開催、武蔵野病院と合同で行うのは初の試みだ。佐々木センター長は「薬理学的知見に基づいた抗悪性腫瘍薬投与の適正化」をテーマに講演した。マーケティング活動もタッグを組んで行う機会が増えてきた。佐藤副院長は「武蔵野病院に佐々木センター長が入職したことにより、ブーゲンビリアが“治療の幅が広がる”と期待を寄せています。広報活動も大切ですが、まずは地域のニーズに合致した医療を提供することが重要だと考えます」と語気を強める。