中部徳洲会病院 病院前救護の大会で初優勝 第18回千里メディカルラリー
2019.12.24
中部徳洲会病院 病院前救護の大会で初優勝 第18回千里メディカルラリー
中部徳洲会病院(沖縄県)の医師、看護師と、沖縄市消防本部の救急救命士などで結成したチーム「A1ソース」は、大阪府のパナソニックスタジアム吹田で開かれた病院前救護の技術・知識を競う第18回千里メディカルラリー(大阪府済生会千里病院主催)で初優勝を果たした。同ラリーは、救急医療に携わる医療スタッフや救急隊員などによって構成されたチームが、主催者が設定した救急のリアルな模擬現場で、情報収集やトリアージ(重症度・緊急度選別)、蘇生、治療、搬送の的確さなどを競う大会。2002年以降、毎年各地で開催されている。
来年2月に第1回琉球メディカルラリー
優勝し喜びを分かち合うA1ソースのメンバー
第18回千里メディカルラリーが開催されたのは9月28日。7通りの救急事案を想定したステージと、ゲーム的な要素が強い2つのステージで競った。ステージごとに評価項目が決まっており、適切な対応ができていれば加点され、全ステージ終了時点の総得点で順位が決まる。A1ソースは20チームが参加するなか、各ステージで高得点をマークし優勝した。チーム名は、多くの沖縄県民が愛するステーキソースの名称に由来する。
A1ソースが初参加したのは約3年前の福岡大会。以来、訓練を重ねながら積極的に参加。今年3月の第4回奈良メディカルラリーを含め、これまでに二度、準優勝した実績がある。今回で8回目の参加だ。
今回参加したメンバーは、中部徳洲会病院救急総合診療部の友利隆一郎医師、知念巧医師、久手堅憲太・初期研修医、村吉千賀子看護師、ハートライフ病院の篠原花織看護師、沖縄市消防本部の松田温・第1警備係長・消防司令補、仲松弥輝・泡瀬出張所第1警備係消防士長の7人。メンバーはほかにもおり、大会によって入れ替わる場合がある。毎週1回集まり、訓練を重ねてきた。
臨場感のある模擬現場
知念医師は「多岐にわたる症例を疑似体験することで、本番に備えることができるなど、スキルアップや力試しに最適な機会だと思います。また、日頃付き合いのある救急隊の方たちとも訓練を通じ、より信頼関係が高まります。歴史ある千里メディカルラリーでの優勝は誇りであり自信につながります」と笑顔で話す。
中部徳洲会病院は沖縄市消防本部と、救急搬送の受け入れやドクターカーの運用などを通じ、緊密な関係を築いてきた。A1ソース結成は同消防本部の松田係長の「より連携を強化したい」という思いで実現。松田係長は「私自身が後輩を指導する立場になり、スキルアップの必要性を感じ、メディカルラリーに参加してみたいとも考えていました」と振り返る。
また、参加することで「講義やテキストを通じて得た知識が現場で使えるものになる」と学習効果の高さも指摘する。
仲松・消防士長は「初参加した福岡大会では力不足を感じましたが、参加を重ねるごとに多様なケースに対応できるようになってきました。優勝できて嬉しい」と喜びの声を上げる。
日頃鍛えたチームワークを発揮
2020年2月23日には第1回琉球メディカルラリーを中部徳洲会病院が主催する。会場は同院とその周辺施設。同院に入職する以前に福岡大会で運営スタッフとして競技シナリオづくりを担当していた村上大道・集中治療部医長や、友利医師が中心となって開催に向け準備を進めている(参加チームの公募は終了)。