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徳洲会グループ 進む海外支援・国際化 アフリカ開発会議に参加 中国病院集団と提携も

2019.12.10

徳洲会グループ 進む海外支援・国際化 アフリカ開発会議に参加 中国病院集団と提携も

徳洲会グループは“生命だけは平等だ”の理念の下、アジアやアフリカをはじめ世界のさまざまな国に対し、透析機器の寄贈、透析センターの開設支援、病院の開設支援、看護学校の開設支援、医療技術指導など多様な医療支援活動を展開している。一方、外国人患者さんや健診の外国人利用者さんの受け入れにも注力。こうした動きは今年も国内外での多岐にわたる活動により活発化。「回顧この1年」の2回目は、今年の本紙掲載記事から徳洲会グループの国際対応を振り返る。

回顧この一年 ②

TICAD7の徳洲会シンポジウム・パネルディスカッションの様子TICAD7の徳洲会シンポジウム・パネルディスカッションの様子

徳洲会グループが行っている代表的な医療協力のひとつがアフリカ諸国への医療支援活動。これまで16カ国に計171台の透析機器を寄贈、透析センターの開設を支援したり、東京女子医科大学病院と共同でタンザニア初の現地医療スタッフによる腎移植をサポートしたりしている。

こうした実績もあり、一般社団法人徳洲会(社徳)は8月、神奈川県で開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)の公式サイドイベントとして、シンポジウム「徳洲会アフリカ16カ国の透析センター設立支援とタンザニアでの腎移植プロジェクト」を主催。アフリカ諸国の関係者や民間企業の関係者ら200人超が駆け付けるなか、第1部では社徳の鈴木隆夫理事長が「徳洲会海外支援の歴史と方針」と題し講演した。

ジブチでCNSS幹部と協議する徳洲会メンバージブチでCNSS幹部と協議する徳洲会メンバー

鈴木理事長は徳洲会が2003年以降、世界42カ国と医療協力に関する覚書(MOU)を締結し、透析機器の寄贈や透析センターの開設支援、病院の開設支援、さらにタンザニアで同国初の現地医療スタッフによる腎移植プロジェクト、NPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)による国内外での災害医療支援活動、JCI(国際的な医療機能評価)認証取得の推進などに取り組んでいることを紹介。

「徳洲会グループは〝生命だけは平等だ〟の理念を掲げ、『いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会』の実現を目指しています。そして、生命だけは平等であってほしいという願いが、人種や国境を超えた私たちの活動の大きな原動力となっているのです」と説き、国際医療支援に対する徳洲会の基本方針を示した。

社徳の小林修三理事(湘南鎌倉総合病院院長代行)も「アフリカにおける透析医療と腎移植治療まで」と題し講演。さまざまな国を支援するうえで、①その国の事情、周辺の環境や状況の理解、②日本の透析医学をもとに支援するからには、妥協せず、レベルを落とさない――の2点をつねに考えていることを明かし、血液浄化療法の指導や透析機器を寄贈したモザンビークでのエピソードなどを披露した。タンザニアでの腎移植支援プロジェクトにも触れ、3月までに計7例の腎移植が無事終了したことを報告した。


外国人患者さんのスケジュールを確認する吹田病院国際医療支援室職員外国人患者さんのスケジュールを確認する吹田病院国際医療支援室職員

第2部では、パネルティスカッションを行い、小林理事が座長、鈴木理事長、ベンジャミン・ムカパ病院(タンザニア)のアルフォンス・チャンディカ・エグゼクティブディレクター、東京女子医科大学病院の田邉一成院長(泌尿器科教授)、ニプロ企画開発技術事業部の二階堂拓部長、社徳のミランガ・ムワナタンブウェ・アフリカ担当がパネラーを務めた。

徳洲会の透析センター開設支援やタンザニア腎移植支援プロジェクトなどについて意見を交わした後、最後に小林理事が「アフリカは〝巨大市場〟と言いますが、それを担うのは人であり、人の健康を支える医療支援が大きな意味をもつでしょう」と結んだ。

社徳はTICAD会期中、ブースを出展。ケニア、ジンバブエ、ブルキナファソ、ガンビア、南アフリカ、トーゴ、タンザニアなどアフリカ各国関係者が訪れ、国際部の佐藤昌則部長と渡部昌樹課長がもてなした。

アフリカを支援するプロジェクトとして、現在進行しているのがジブチの病院建設支援だ。8月に鈴木理事長をはじめ社徳のプロジェクトチーム一行が同国を訪問、CNSS(社会保障基金)幹部と面談した。今後、事業計画や病院のデザイン・設計を詰め、支援の可否を最終決定する。


徳洲会、北京世紀康瑞病院集団、伊藤忠商事の関係者が記念撮影徳洲会、北京世紀康瑞病院集団、伊藤忠商事の関係者が記念撮影

インバウンド治療・健診の増加に期待

「人間ドックの外国人利用者さんは増えていくでしょう」と渡部課長「人間ドックの外国人利用者さんは増えていくでしょう」と渡部課長

アジアでは中国との交流が加速。9月に伊藤忠商事が仲立ちとなり、社徳と中国最大級の民間医療グループ「北京世紀康瑞病院集団」が提携。今後、中国人患者さんの治療・健診の受け入れや同集団に対する病院経営・管理手法の確立支援、医療人材・技術交流を図る。

とくに期待されるのがインバウンド(訪日旅行者)治療・健診事業の拡大だ。徳洲会グループは2012年から本格的に医療ツーリズムを推進しており、当時に比べ現在の年間収益は倍増。利用者の半数を中国人が占めており、同集団との提携には、インバウンド治療・健診事業に関する内容も盛り込まれている。

渡部課長も「インバウンド治療・健診は今後も成長していくと思われます」と期待を隠さない。ただし、「堅調にインバウンドが推移している背景もありますが、JCI病院の増加をはじめ国際化に対応できる“受け皿”がグループ内に増えていることも要因」と指摘。「そうしたグループの現状が海外で認知され、今年は徳洲会に声がかかることが多い一年でした」と振り返る。

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)がJCI認証の更新審査に合格したほか、吹田徳洲会病院(大阪府)はJapan Inter-nationalHospitals( J I H ) 推奨病院の認定を受けた。同院は1カ月あたり約80人の中国からの患者さん・健診利用者さんを受け入れており、「中国人利用者数で言えばグループでトップクラス」(渡部課長)。

現在、徳洲会にはJCI病院が8病院あるが、来年には3病院がJCI認証を取得する計画。渡部課長は「また、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の健診センターなど、来年リニューアルし、より多くの受け入れが可能になる施設もあり、さらにインバウンド治療・健診利用者数は伸びていくでしょう」と予測する。

このほか、個別の病院では名古屋徳洲会総合病院が中国の済寧市第一人民医院と連携。7月に孫印院長らが名古屋病院を訪れ、同院の大橋壯樹総長とともに協力意向協議書に調印した。大橋総長は人材交流がメインになると考えており、早ければ来年に開始する予定だ。

また、湘南厚木病院(神奈川県)は9月に世界8カ国の観光行政官向けに医療情報発信の施策説明と、生活習慣病予防をテーマにした医療講演を実施。JICA(国際協力機構)が開発途上国を対象に行った観光マーケティングや観光客誘致の手法を学ぶ研修の一環で、同院が立地する厚木市がヘルスツーリズムを推進し観光振興に結び付けていることから視察先のひとつに選ばれた。

ボツワナ、エジプト、イラク、モンテネグロ、ミャンマー、パレスチナ、ウズベキスタン各1人、ベトナム2人の計9人が参加した。

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